花子、大往生・・

8月20日深夜・・あともう少しで次の日になるという真夜中。

我家の愛猫、花子が私達の傍で静かに息を引き取った。13歳。

覚悟は出来ていた。

長くない予感もしていた。


気位の高い花子が最近、急に甘えん坊になり始めたときから・・


「美味しいものをほんの少しいただく」主義の花子が

驚くくらい食欲が出てきたときから。

人間の食べるものなんか・・とソッポを向いていた花子が

私達が口に入れるものは何でも食べたがり始めた頃から。


限りのある命を食欲によって、栄養に依ってできるだけ持たせよう・・

そんな花子の本能を感じていた。


その食欲は亡くなる数時間前も変わらなかった。

猫の缶詰めを美味しそうに食べ、私達の夕食の焼き魚も欲しがって

美味しそうに食べていた。

食べたり、少し動いたりすると辛いのか横になって荒い息をし

しばらくすると荒い呼吸も収まる・・という生活がしばらく続いていた。


この夏を乗り切れるだろうか・・

そう思いながらも、食欲旺盛な花子をみていると

まだ生きられる・・そんな気もしていた。


ただ、だんだんと苦しそうに口を開けて横になる時間と回数が

多くなってきているこの頃・・駄目かも・・と思ってもいた。



昨日の深夜・・

早めに二階の寝室の入った私達のところに気がつくと花子が来て

ベッドに乗っていた。

他の2匹の雄猫は、毎晩、私達が寝室に行くと、必ず付いてきて

ベッドに一緒に寝るのだが

花子だけは、いくら連れてきてもすぐに階下に戻ってしまう。

冬の寒い夜など、一緒に寝たほうが暖かいのに・・と案じながら

階下にホットカーペットをつけたりして花子の好きにさせていた。



その花子が・・

今日は特に苦しそうにしていた花子が

階段を上って、寝室のベッドに飛び乗って・・

ベッドの上では荒い息を吐いてただただ横になっていた。

他の2匹の猫は静かにベッドから下りて様子を伺っていた。

そう、猫はいつもそう・・じゃれあったり喧嘩をしたりしていても

相手が病気の時や瀕死の時には決して手を出さない。見守っている。


花子の身体に手を当てて、お腹が呼吸で大きく動くのを

私は体中で感じていた。

いつもの呼吸と、どこか違う。

いつもは時間が掛かってもなんとか落ち着くのだけれど

そんな感じがしない。


どのくらい経った時か・・花子が起き上がってベッドから降りた。

そしてよろよろと廊下に行ってまた寝そべった。

もう、好きなところで寝ればいいと思った。

私達も廊下にうずくまって花子を見守った。


花子の荒い息は続いているが、不思議に苦しがってはいなかった。

だんだん、息が弱くなっているのを私は手のひらで感じていた。

「もういいよ・・ぐっすりおやすみ」そういって身体を撫でていた。



こんな遅い時間

もしも二階に上がってきてくれなかったら

私達は花子の容態に気がつかなかったろう。

次の日の朝、冷たい花子の身体を発見したことだろう。

花子は力を振り絞って私達のところにきてくれたんだ、きっとそうだ。

「花子、すごいよ、花子」

花子はゆっくりゆっくり息が小さくなっていった。

そして、本当に小さな灯が消えるように静かに静かに動かなくなった。


わたしは今まで何匹もの猫の臨終に立ち会っているが

こんなに穏やかなまま息を引き取っていく猫はいなかった。


花子、すごく格好いいよ。

花子は最後まで気位の高い「お嬢様猫」をマットウしたね。

すごく綺麗なスマートな散り方だったよ。



ありがと、花子。

さよなら、花子。

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by dansantokamisan | 2006-08-21 10:30 | 猫のいる風景